停電の町

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2023-03-07から1日間の記事一覧

ふたりは夜の道をゆく

深夜、道ばたで嘔吐する茂谷素晴の背中を、俺は無言でさする。飲み過ぎたのだ。「ごめん、直純。ごめん」 言いながら、素晴は吐く。吐きながら泣く。俺は、やはり黙って背中をさすり続けた。 素晴は、一年間付き合った彼女に、今日、ふられたらしい。泣きな…